トンロー通りにある手動信号機。横断歩道に主導式の信号機が付いているところはバンコク市内でここを含めてもう一箇所しか知らかった。そこは郊外にある大きな公園の正面で、学童が遠足で来る場所だからだろう。この写真の背景はカメリアン病院で、医療機関のそばだから設置したものと思われる。
バンコクでも地方でも、横断歩道で待っていて車が止まってくれることは、10回に一回くらいだろうか。それでも近年は、止まってくれるドライバーが増えたが、それでも、思わずワイをして感謝したくなるくらい、稀なことである。渋滞で苦労したトラウマを皆が持っているので、不必要に止まりたくないと思うのか、たんに譲り合うという文化がないのか?しかし、電車でお年寄りなどに席を譲る率は、日本より高いように思われる。やはり、社会的マナーとして浸透していないことが原因だと思われる。
今年、2月1日付のマネージャー紙によれば、バンコク都庁は、今年、手動式信号機を100箇所増やして240箇所とし、合わせて、横断歩道の周囲を赤く塗り、標語をつけて運転手に注意喚起するという。監視カメラを設置しして、車を停止しなかったり、横断歩道上に停車したりする「違法行為」を監視するのだそうだ。また、この「レッドゾーン」を通学路を中心に559箇所設置し、その少し手前にOptical Speed bar で適正スピードを路面に示する。記事にあった写真によると50キロが適正スピードのようだ。
タイでは横断歩道で停止しなかった場合に1000バーツ、横断歩道の3メートル以内に停車した場合には500バーツの罰金が課せられる。最近はタイでも、監視カメラで違反車のナンバーを記録する欧州式のやり方を採用しているから、後になって罰金の通知がきて「ドヒャー」なんていうこともあるのかもしれない。
ちなみに、昨年、タイの交通事故による死者は10200人、そのうち歩行中に事故に遭った人は740人、死亡者の約7パーセントに当たる。歩行中に車にはねられて死ぬ人が1日に二人は出ている計算になる。横断歩道を歩いている時に事故にあうケースも頻発して社会問題化している。
先日は、若い女医さんが、警察官の運転するバイクに衝突され亡くなった。コロナ禍で医療従事者はヒーローであるし、ぶつけたのは警察官である。警察官は、こんな時タイ人がよくするように出家したが、還俗後、9つの罪を問われて裁判中である。
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