本日の表紙~「白衣が防弾チョッキを要求」(週刊マティチョン 2021年7月9日~15日号
- akiyamabkk

- 2021年7月11日
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更新日:2021年7月14日

「白衣」とは医者や看護婦など医療関係者のこと。「防弾チョッキ」とはコロ治療の最前線で働く彼らを防御できる「ワクチン」を意味している。あえて「防弾チョッキ」という言葉を使ったのは政権を牛耳る軍部への当てつけである。来年度予算が現在審議中で(タイの会計年度は10月から)全体的に削減傾向にあるが、これだけの危機にあるにもかかわらず、保健予算の削減幅が国防予算の削減より大きい。そういうことも含めた批判だろう。
保健省のコロナ対策の会議で、医療関係者に対して、三回目の接種を、ファイザーで行うべきだという提案が出た。会議のメモが流出したのだが、保健大臣が、「メモをした人の個人的意見だ」と言ってみたり、保健省の次官は「メモそのものが捏造だ」と話してみたり、政府側の説明も食い違った。SMSを中心に世論は沸騰し、「政府側もシノパックが効果が低いことを知っているのに、なぜ国民にうち続けるのか」という批判が殺到した。タイの医療関係のほとんどが、シノパックの2回接種を終えていたからである。
当初の批判の後、「やはり最前線で働く医師、看護婦たちには効果の高いmRNAタイプのワクチンを打つべきだ」という意見が主流になり始めた。今週の週刊マティチョンの見出しは、この点をついている。
しかし、このような批判があるにも関わらず、タイ政府は、シノバックワクチンを6000万ドーズ以上購入することを決定している。だいたい人口の半分に2回接種できる回数である。また、ファイザーの調達が間に合わないため、副作用が強いというイメージがあるアストラゼネカを第三回目の接種に使用するという案が出ているという。保健省は、シノバックを主に使用したブラジルや、プーケットのデータでは、高い予防効果を上げていると反論しているが、このマティチョンの社説に代表されるような批判の声は収まりそうもない。
今日も都内のある病院で、シノバックを優先接種済みであった医師がコロナに感染し、医療スタッフ100名以上が隔離という事態となった。フェイスブックでは、「私の大事な妹は、シノバックの接種を2回済ませた後、コロナ治療の最前線で看護婦として働いていた。先日コロナに感染して亡くなった。すばらしいワクチンをうってくれて、ありがとうございます」という投稿があったという。こういう報道はあげているときりがない。
週刊マティチョンの社説は「ヒーローだって挫けてしまうことはある」と書いている。シノバックの効果のほどは藪の中だが、医療関係者の志気を保つためにも、彼らが本当に信用できるワクチンを打つべきではないか?ただでさえ過酷な現場に、「劣悪ワクチンによる感染の恐怖」という新たなストレスを負わせるのは気の毒すぎないか。
<了>
参考
週刊マティチョン記事



