top of page

不定期テレビ日記〜2022年4月

  • 執筆者の写真: akiyamabkk
    akiyamabkk
  • 2022年4月1日
  • 読了時間: 11分

更新日:2022年4月30日




2022年4月1日(金)




本日のゼレンスキー 後ろに銃を持った歩哨が立っているゼレンスキーのデイリースピーチは珍しい。そして、ロシアを非難するトーンがいつもより強い。モンスター、キメラ(ギリシャ神話の怪獣、ライオンと山羊の頭と胴体、蛇の尻尾を持つ)などという言葉を使っている。おかしいな、と思って聞いていたら、何人かの地方司令官等がロシア側に寝返ったか、内通したらしい。大統領は「今、裏切り者に多くを割く時間はないが」と軍籍を剥奪された者の名前をあげるに止まったが(指揮権を持つ階級の者のようなのでこれは必須だろう)、おいおい詳細が明らかになるのだろう。あるいはもう報道されているのかもしれない。この人が暗殺の危険と隣り合わせにいる事を再認識する。




2022年4月3日(日)




散歩日誌 2020/04/03


朝できるだけ歩くことにした。ただ歩くだけではつまらないので、歩きながら講演のようなものを聞くことにしている。昨日までは、小泉優氏のプーチンとウクライナ情勢の分析。プーチンの妄想的ウクライナ観に引きずられて、強いはずのロシア軍が、日頃の軍事思想とは相いれない戦略的ミスを重ねた事情がよくわかった。

この講演は開戦後二週間に行われているが、小泉氏でさえ、その時点まで戦争が継続するととは思っていなかったそうだ。それからさらに、三週間以上が経過してもキエフは陥落していない。そればかりか、ロシア軍は、東部に戦力を集中するための戦略的撤退を始めている。


本日からは、仏教哲学の研究者、中村元(はじめ)先生のテレビ公演「ブッダの生涯」。幾つか印象に残った話し、というか、書き留めないとすぐ忘れそうな話を書いておく。

釈迦の生年は100年くらいの幅でしか確定できないが、インド古代の偉人の中では、釈迦は、生きた年代が最もよく分かっている人だとのこと。インド人というのは「永遠を見つめている」人達で、年代そのものに興味がない。このあたり、年代記にこだわる中国人と対照的である。


釈迦の父親の名はスットオーダナ(清い米)、一族の王の名前には常に、このオーダナ=稲という言葉がつく。ここから、釈迦の生まれた場所は稲作地帯だった事がわかるのだという。そういえば、スット、というのはタイ語でも「清い」という意味になる。例えば、「純粋な」は、ボリ・スットである。純利益の純などもスット。おそらく、パーリー語源のタイ語なのだろう。


「釈迦」という呼び名は、実は、仏陀が生まれた「釈迦族」という部族名で、本名?は、ゴータマ・シッタルダ。このゴータマは、インドで聖人を呼ぶ時の呼称のひとつである。ゴーは牛、タマは「最高に素晴らしい」という修飾語、つまり、「最上の牛」を意味するのだという。インドでは、詩文を褒める時でも、「牛の鳴き声のように美しい」と表現するくらい、牛が敬われているのだ。ちなみに、このゴーは英語のカウ、ドイツ語のクーの語源だという。


・・・等々、どこをとっても面白い話しが満載だが、それに加えて、中村先生の日本語、語り口がすばらしい。歩き終わった後も聞き続けて、乳母日傘で育てられた皇子釈迦が、生老病死という人間の究極的条件と、人間の三つの傲慢さを認識するところで区切りとした。若いという自意識による老への傲慢、健康であることによる病者への傲慢に加えて、「生きているという自意識」までもが死者に対する傲慢を生み出すという指摘に驚いた。時間にして50分くらいまで。


散歩の方は40分弱で4000歩ほど。だいたい駅までを往復したくらいの距離。グーグルマップによるとアパートから駅までの距離が1.3キロだから、2.5キロくらいは歩いたことになる。



CNNのゼレンスキーインタビュー


「領土の割譲に応じる事はないが、クリミアに関しては当面の交渉から棚上げできる。10年後に外交的に解決されるべき問題だ」 「ある種の独裁者は、欲求が満たされれば満たされるほど貪欲になっていく。とりわけ領土に関してそうである事は歴史が示唆している」 「誰かが止めないことには、かつてのソビエト連邦の版図と影響圏を回復するまで、欲求が満たされることはないだろう」




2022年4月4日(月)


ウクライナでソンミ事件が起きた。


本日のゼレンスキー。ちょっと訳す気になれないが、これは歴史的演説になるかもしれない。




Bucharest, declaration of NATO summit. April 3, 14 years ago. Had a chance to avoid. So that Russia does not come.

Bucha, Kiev region. Right now. Russia has come.

I advise the mothers of the Russian military to watch. Look at the assholes you have grown. Murderers, robbers, robbers.


Photo: Vadim Ghirda, Ronaldo Schemidt, UNIAN


こういう事を大統領が書いているらしい。自動翻訳だが。


「ロシアの母親達よ、これを見よ。殺人、強盗、レイプ、あなた方が育てたクソッタレ共がしたことを」こういう言葉を自己規制せずに出している。


12年前のブカレストでの会議で、NATOが期限を明示せずにウクライナとッジョージアのNATO入りを約束した。その後、ドイツとフランスの反対で両国の NATO入りは認められず、結果、両国ともロシアの侵略を受けた。前半部分はこの事を指している。




閲覧注意。


ノート 「ブチャ虐殺」は新しい歴史の言葉となった。


ロシアは何というだろう。ベトナムがポト派からプノンペンを解放し、ツールスレイン政治犯収容所の写真や映像を公開した時、「あの死体はベトナムが用意したものだ」と言う人がいた。ベトナムの官製報道だったから。しかし、この映像を「やらせ」と否定する人はいないだろう。キエフ郊外では二人の外国人ジャーナリストがロシア兵に殺されている。これは、自由な報道の究極の強さだと思う。


結局、ウクライナの事ばかり書いている。ショッキングな事が起こりすぎて、タイの話しなどヒマネタに感じてしまう。平和な国に住めることは本当に幸運なことだ。



2022年4月5日(火)




閲覧注意


ゼレンスキーのルーマニア議会での演説。冒頭、ブチャ虐殺の映像が流れる。屍蝋化したような死体の顔がアウシュビッツを連想させる。ぼかしなしで公開するのは、伝えたいからだろう。(ヨーロッパの一部メディアもそうしているらしい)「沈黙の中で殺されて行く以上に無残な事はない」(アンダーソン・クーパー)のだとしたら、そうする事は死者に対する供養だろうと思う。合掌




ノート ゼレンスキーが解放されたキエフ近郊の町を訪問。映画のように端正に撮られた戦禍。ここにワッグザドッグ症候群の人たちをくすぐる要素があるようだ。ニュース関係の編集者ならもう少し荒く繋ぐのではないか。緊迫感、臨場感を出す為に。やはり、ゼレンスキーの映像は、ニュース畑ではないゼレンスキーのブレーンが作っていると思う。あるいは彼らは、大統領関係の映像には、臨場感よりも安定感、確固たる感じ、整然とした端正な雰囲気が相応しいと考えているのかもしれない。


連投になるが、以下、ニューヨークタイムズが掲載した記事。




ノート ニューヨークタイムズ記事。民間の衛星映像から、ブチャで放置された死体は数週間前から存在したことを確認。「ロシア軍の撤退後ウクライナ側が仕込んだ」というロシア側の「ワッグザドッグ」的主張が嘘である証拠が早くも出てきた。「嘘も百回いえば」の手法が通じない時代になった事がまだわからないのか。もっとも、「言わないよりマシ」と思っているだけなのかも知れないが。


次に来るロシアのプロパガンダは、今までの主張がなかったかのように、「ウクライナ人が裏切り者を粛清した」となるだろう。この「自己の主張の整合性への無関心」はロシアの広報戦略の一つの特徴になりつつある。弁護しえないものを弁護しようとする時、こうなってしまうものなのか。




2022年4月6日(水)



国連安全保障理事会での演説。すごい事言うなあ。ロシアを侵略者として安保理事会から排除し、自らの戦争に関する決定への拒否権を剥奪するよう提案している。それすらできないのであれば、各国がそれぞれの判断で行動するしかなくなるだろうと。日本に引きつけて言うならば、その程度の事もできない国連ならば、「平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼し」という憲法の前文は、意味のない空文という事になる。今までも実情は違ったのだが、これほどにあからさまになる事は無かった。




2022年4月7日(木)


ロシア軍による民間人攻撃で殺された家族についての続報。母親はシリコンバレーに本社があるIT系の会社に勤めていた。(第一報はこれ、https://youtu.be/pJiwYSR3X88 )


続報では、写真を撮影したカメラマンの女性がインタビューに答えているが、このカメラマンも一つ間違えれば死んでいた。キエフ近郊で亡くなったジャーナリストの射殺時の状況がいまいちピント来なかったが、ブチャの惨状を見て腑に落ちた。こういう事が日常的に起こっていたわけだ。


こういう報道の積み重ねの上に、ロシアの戦争犯罪への国際的な非難があるという事を知らない人がいる。「月面写真の星条旗が、空気のない月で翻っているのはおかしい、だから月着陸はヤラセ、捏造だ」と思ってしまう「ワッグザドッグ」症候群タイプの人に言いたい。


「針金が入っていたの!NASAが記念写真を撮る時にそんな事に気づかない筈がないだろ、少しは自分の頭で考えろ!」と。




2022年4月8日(金)


本日のゼレンスキー。ロシアの国連人権委員会の資格停止を「一定の成果」として報告。ロシアがマリウポリで死体を集めているという不吉な情報も。さて、どういうことをやってくるのか。今は大気圏外からの目もあるから、滅多なことはできないだろうが。


国連総会でロシアの人権委員会資格停止に反対したのは、中国、北朝鮮、キューバ、シリア等、20数ヵ国。インドは棄権。かつての社会主義ブロック(現在の独裁国家ブロック)と括弧付きの「非同盟」諸国が反対ないし棄権したが、投票した国の三分の二以上の賛成で採択された。独裁国家とその追随者が反対に回ったのは極めて自然な成り行きだろう。


こういうものを見ると「国連もないよりはあった方がましだな」と思う。もし、国連が存在しなければ、国際世論の大勢を示す場所が無くなってしまい、カオスの中で有効性を発揮するのは「嘘も百回言えば」式の臆面もないプロパガンダということになるだろう。また、国際世論が国内世論に与える影響というのは、ロシアのような国でも「ある」と思う。



2002年4月9日(土)




ノート これは強いレポートだ。CNNのリポーターが証言の強さに気圧されている。こういうものも「芝居だ」とかいう連中がいるんだろうな。ポト派の虐殺もベトナムの捏造だとか言う人がいた。「じゃ、カンボジア人全員が集団催眠かなんかにかかって、歴史的怨念のあるベトナムと一緒に嘘の証言をしているとでも言うんかい」と自分は思っていた。それほどポト派の虐殺の証言はカンボジア人の誰からでも聞けたのである。おそらく、今、ウクライナにいる記者も、あまりにも強い証言が、いとも簡単に撮れることに呆然とする思いではないか。




2020年4月10日(日)


英国首相と街歩き。交流している市民は流石に仕込みだろう。セキュリティチェックをせずに、外国の首脳にあそこまで近寄らせる筈がない。というか、事前に選抜しているだろう。女性は事前にお土産を用意しているし、ウクライナ側もそれを隠す必要を感じていないようだが。街ゆく人が少ないのは、一帯を封鎖したからだろうが、それにしては、明らかに紛れ込んだ感じのおばあさんが一人混じっている。戰時だから、あらゆる事を急場でやるのだろう。しかし、すごい映像を撮らせますなあ。




2022年4月12日(火)


CBSの公式サイトから。60ミニッツのゼレンスキー単独インタビュー。インタビュアーがキエフを訪れて行った。アメリカのメインストリームメディアが、これほど他国の指導者に一方的に肩入れした事はないのではないか。インタビューアーの目が涙ぐんでいるように見えるのは気のせいか。(質問は別撮りかと思ったが、街頭インタビューなんかもニカメで撮っている。たぶん同時撮影だろう)アメリカのメディアは、戦争報道のレッドラインを超えたようだ。超えても構わないのではないか。誰が誰の家に押し入って狼藉をいるかは明白なのだから。アメリカのメディアは、ベトナム戦争とは真逆の立場に立ったのだと思う。批判追求の対象が、「アメリカ帝国主義から」、「ロシア式共産主義のグロテスクな残滓」に変わっているのは、歴史の皮肉だが。





2022年4月17日「日)


ロシア軍がキエフへのミサイル攻撃再開を宣言したそうだ。これは怖い写真。ゼレンスキー大統領の公式ホームページから。




2022年4月29日(金)



ザ・ヴォイス、ウクライナのフェイスブックから。YouTubeの更新は止まってからひと月ばかりになるが、こちらは毎日何か出しているようだ。キャプションによれば、歌っている女性は第十一回ザ・ヴォイス・ウクライナで準決勝に残った人。昔の抵抗ソングを近代的に?アレンジして歌っているとある。出だしは、カチューシャそっくりだが。


これは、しかし、歌を発表する趣旨から言って著作権フリーにすべきではないか?ここに引用しようとしてFBにブロックされた。


以下は同じ人のようだ。The Voice Ukraine の YouTube 公式ページより。


つい一年前の彼女。やはり、抵抗ソングや革命歌より、平時の歌の方がずっといい。抵抗ソングを歌う彼女からは少しも生気が感じれない。誰か近しい人を亡くしたのではないか。


Google translate によれば、歌の題名はナイチンゲール、紹介ビデオの内容からすると、ウクライナの民謡らしい。また、声の張り方もそういう感じなのである。幾つか、ウクライナのフォークソングを聞いたが、もろロシア民謡という感じのもの以外に、インドっぽい・・・というか、ジプシー音楽っぽい感じの系統があるような気がする。


あ、ナイチンゲールだから、夜来香を慕って鳴くのではないか。歌詞は全く分からないが、そういう連想も楽しい。

bottom of page