不定期テレビ日記~2021年8月
- akiyamabkk

- 2021年8月5日
- 読了時間: 12分
更新日:2021年9月17日

2021年8月2日(月)
上の娘からラインが入っていて、今日は次女夫婦の家に泊まると言う。電話で事情を聞いてみると、会社で荷物の受け渡しをした人間がコロナに感染したのだということ。次女の家の二階が空いているのでそちらに泊まってしばらく様子を見るという。会社も二日間休むそうだ。同様の状況を何度も経験している次女の方が落ち着いていて、てきぱき姉に指図している。プラスチックの仕切り越しに少し話しただけで、双方ともマスクをし、荷物を運んだあとは手を洗ったということなので、感染したリスクは低いと思うが、こちらに小さい子と、50代の親がいるので大事をとったよう。バンコクは今、ほぼ医療崩壊していると言ってよい状況で、治療をうけられなくて自宅待機中に、家族全員がコロナで亡くなってしまうようなケースも報道されている。神経質になるのも無理はないのだ。これで、わが家には、外に働きに出ている若い者は、誰もいなくなったことになる。50代の我々が孫を育て、子供たちは別に住んで仕事をするという役割分担に自然となったわけだ。
2021年8月3日(火)
今日も悲惨なコロナ話し。妊娠6か月の女性がコロナで死亡した。妊娠を続ければ母親の命が危ないという医師の助言で、夫や母親と話し合って人工中絶した後、苦しい決断のかいもなく、まだ生まれぬ子どもの後を追ったのだ。子供をおろした後、本人も死期を悟ったのか、夫にラインで遺書を送っている。その文面は涙なくしては読めないものだ。夫に子供の顔が見せられなかったことを謝った後、「もし生まれ変わることがあつたら、今度は家族三人で暮らそう」と書いている。夫に「お風呂にちゃんと入って」とか「ご飯を食べすぎないで」とも。残していく母親が気がかりで「お母さんは、しばらく落ち込むでしょうが、無理やりにでもご飯を食べるように言って」と言い残している。写真を見ると、30をいくつも出ていない人のようだ。大手デパートに勤め、夫とは職場で知り合い7年くらい付き合った後、結婚したのだというから、現役バリバリの世代である。妊娠中ということもあったのかもしれないが、新しい流行では、こういう若い人も重症化して亡くなっているのが不気味である。
2021年8月4日(水)
今日は、家人がラムカムへーん病院でシノファームのワクチンを接種。一時からの接種開始に、12時半ころ家を出た。自分はアバートの庭で、孫とおばあちゃんの帰りを待つ。泣くかと思ったが、アパートのママ友、パパ友たちが面倒を見てくれたので、泣きもせずよく遊んでこちらは助かった。接種は1時間半ほどで終了。密を防ぐために一日50人という話だつたが、200人くらい来ていた言う。幸い接種部位が少し痛むだけで、熱もでず、帰ってすぐ孫を風呂に入れるくらい普通に暮らしている。これで、家族全員が一回目のワクチン接種は終了。家人は一か月後に二回目のシノファーム、自分と上の娘は、アストラゼネカをやはり9月初めに打つ。ワクチンには重症化を防ぐ効果はあるようだし、そのころには全体のワクチン接種もある程度進んでいるだろうから、わが家もコロナ禍を乗り切る目途がつくのではないか。それまでは、極力慎重な生活を送ることを心掛けることになるだろう。
2021年8月7日(土)

長女がATG、抗原検査キットで自分で検査、陰性。検査キットの目盛りに赤く線が入っていたので、ぎょっとしたが、陽性ならば二本の線が浮き上がるタイプだという。陰性だとは思っていたが、結果が出てほっとする。あと一週間次女の家にいて二度目の検査も陰性ならばこちらの家に戻るのだとのこと。二度目はPCRで検査してもらいたいものだが、予約がとれるかどうか。密状態で並んで感染のリスクを冒すようならば本末転倒である。少々お金がかかっていもいいから、民間の医療機関で予約をとるようにラインしておいた。
本日は、学生グループが王宮近くでデモをするということで、治安機関は警戒を強めていた。タイ国民の「心の拠り所」を死守するという警察幹部の発言もあり、昼からものものしい雰囲気。時々、カオソットのライブ中継がネットで入ってくる。学生側は早々と目的地を変更し、民主記念塔から首相府前に集合場所を変えたようで、ほぼ集会参加者のいない記念塔にずらりと整列した警官と「散会しなさい」というスピーカーの声。時々爆発音のようなものが聞こえるが、これはカオソットの実況によれば、誰かが鳴らす爆竹の音だという。途中、学生側がプラユット首相の公邸に押し掛けるというニュースが流れたが、夕方五時頃のライブを見ると、戦勝記念塔の近くにカメラがあり、遠くの方で火がボーボーも得ていた。ソイランナムの近くで、警察車両が燃えているのだという。囚人護送用の、警察がバリアーとして使っていた車だろう。あいかわらず、5秒から10秒おきくらいに爆発音が聞こえる。(警察側のサウンドボムだろうか?)デモ隊側の「危険だから一時散会」というアナウンスがあり人が散り始めたところで見るのをやめる。
反政府側は、今が倒閣のチャンスと見ているようだが、コロナ感染が一日2万人、死者も毎日200人前後出ている状況で、こういうデモをして国民の共感が得られるのか?動員人数も、たいしたことなかった。ミャンマーの反軍政系メディア(Khit This Media)が、ライブ中継していて、多くのビルマ人がタイのデモへの共感のメッセージを入れていたが、両国の情勢が違いすぎて共闘は無理だろうと思う。ミャンマーのメディアが、ミャンマー国内ではデモのライブ中継ができず、タイ側なら自由にできるという点に、両国の情勢の違いが如実に憐われていると思う。一言でいえば、タイの軍部の方が、ミャンマーの軍部より統治の仕方が洗練されているのである。
2021/08/08
昨日のデモ、結構、夕方にもめたらしい。サウンドボムとか書いていたのは、催涙弾だったのかな。今日、テレビニュースで、近くで撮った映像を見ると、警察隊が5秒ごとくらいに催涙弾を連射している。昼間の民主記念塔の映像でも、同じような爆発音が聞こえていて、あの時点でデモ隊と警察隊との衝突が始まっていたとは思えないのだが。死人は出ていない。この日のデモは、赤シャツ(タクシングループ)が王宮へのデモには与しないと表明した時点で、デモ隊側の敗北は決まっていたように思う。人数が動員できないから、職業学校などの血気にはやった若い連中が過激化したのだろう。今日は、カーデモグループとあと一つ妙な名前のグループがデモするらしいが、スクンビット近辺でやるようなので大きな騒ぎにはならないのではないか。
2021/08/09
今日、頼んでいた座椅子がやっと届いた。通販で買ったものをDHLで配送させたのだが、隣県(サムットプラカン)にある配送センターに4.5日留まっていた。以前ならその日か翌日に届いた荷物だろう。コロナのため配送需要が急激に増えたため、荷物が配送待ちしていたわけだ。Fedexの国際便でも同じことが起こっている。
昨日、一昨日と感染者が2万人を割り、死者も150人前後。このくらいでピークアウトしてくれるといいのだが。タイではまだ一回目の接種もはかばかしく進んでいないのに、ファイザーによる第三回目接種が話題に上っている。今年末か来年になるらしい。
2021/08/12(木)
今日は、前の国王のお妃、日本風に言えば皇太后の誕生日、母の日の祝日である。コロナはピークアウトするどころか、2万人を再び超えて、死者は最高数(235人)を記録した。人口あたりの死者数では、近いうちに日本を超すのではないか?
上の娘の自主隔離期間が明けるのを待って、今週の日曜日に母の日のお祝いをする予定だったが、ショッキングな知らせが飛び込んできた。会社の先輩の連れ合いがコロナに感染したという。娘はこの先輩と、今週三日間隣の机で仕事をしたのだそうだ。二回目の検査(ATKだが)も陰性と出て、これで一安心と、間借りしていた妹夫婦と鍋を取り寄せて食べ始めたところに、その先輩が泣きながら電話をかけてきたという。
上の娘はあと二週間、妹の家に住んで自主隔離を続けることになる。今回の方がずっと事態は深刻で、感染している可能性がある。
2021/08/17(火)
長女の先輩、陰性と出た。その人の旦那が感染したのだが、旦那はワクチンをうっておらず、先輩の方は会社がアレンジした職域接種でアストラゼネカを接種していた。一回接種だが、デルタ株流行以前は、AZは一回接種でもある程度強い交代ができるという話だったので、そこに望みをかけていた。念のため、長女の検査もやって、それで陰性とでれば、こちらに戻すことにしよう。デルタ株の流行以降、幼児、児童、青少年の感染も急激に増えていて、8月だけで一万人に上るという。亡くなった子もいる。対策本部の中で、人口(外国人も含めた国内人口)7割という考え方を捨てて、12歳以上の全人口に接種するように目標を変えようという意見も検討されはじめているという。
2021/08/18 (水)
コロナによる一日の死亡者312人、ついに300人を超えた。累計でも8000人を超えて、人口当たりの死者数でも日本より多くなったようだ。日本も増えて、昨日は47人、今日は30人だが、タイでも増え続けていて、一日の死者数は、実数で日本の10倍、人口比を勘案して20倍くらいでこの一月ほどは推移している。人流抑制の点では、タイの方がはるかに徹底しているのだから、この差は、ワクチン接種の質と量の違いから来ていると考えるしかない。
2021/08/19(木)
家人がママ友から聞きこんできた話し。少し前、アパートの友人がフェイスブックに投稿し、「クロントイの実家が全員がコロナに感染し、特に高齢の母親の状態が悪い」と書いた。みなこぞってお見舞いの言葉を送ったのだが、その友人が個人的に話したところによると、感染させたのは、今、バンコクの中心でやっている反政府デモに参加した孫息子だということだ。日当1500バーツをもらってデモに行き、そこでコロナウィルスをもらってきて、自分の両親、高齢の祖母、年下の兄弟たちに感染させたというのである。「うつした」という部分には科学的根拠は全くないのだが、ありえない話ではないだろう。
「デモ参加者は金目当てでデモに来ているに過ぎない」という言い草は、自分たちがエリートのつもりでいる黄色シャツ支持者が、赤シャツ支持者侮蔑して言う時の決まり文句だが(「金目当て」だけで、運動が15年間も継続するはずがない!)、今回ばかりは、そちらの気配が濃厚だと感じる。動員力の弱さを補うために、職業学校に通う若者たちなどに(彼らは時折、拳銃なども使ったヤクザまがいの抗争事件を起こす)を「跳ね上がらせている」印象が強い。もうじきプラユット内閣への不信任動議が国会で審議されるのだが、野党の指導者たちは、「街頭で市民たちと共闘」しながら、政権を追い詰めると公言している。タクシン派の政治家や半職業的な政治活動家たちが、騒乱の外観を作って倒閣気分を盛り上げるために、若者を雇うことは、ありえない話しではないだろう。
2021/08/21(土)
コロナ感染者数、総計で100万人を突破、死者数も累計で9000千人を超えた。昨年は流行が2月から始まって死者数は100人を超えていないのだから、今年の感染拡大がいかに桁違いであったかがわかる。
2021/08/25(水)
感染者数は漸減する傾向に、死者数は297人と増加を続けている。ついに累計で1万人を超えた。9000人突破と書いたのが4日前だから、一日平均で200~300人死んでいる計算になる。日本の死者累計が15000人くらいだから、このままいくと、実数でも日本を追い抜くのではないか。何度も書くが、人流対策や野戦病院の設置、検査キットの普及などの点では、タイの方が日本より徹底しているのだから、この差はワクチンの接種率、質の違いと考えるしかないようだ。
2021/08/30(月)
ここ数日、タイのメディアは「黒ビニール拷問死」事件の話で持ちきりだ。ナコンサワン市警察署長が、麻薬容疑者を署内の取調室で拷問し、頭からビニールを被せ窒息死させた事件である。所長のニックネームをとって「チョー署長事件」とも呼ばれている。チョー署長は慌てて事件をもみ消そうとしたが、内部告発者が取り調べ室内の監視カメラの映像を暴露したため、進退窮まって数日間の逃避行の末、自ら警察に出頭することになった。記者会見は、コロナなどどこい行ったのかと思わせるメディアスクラムで、チョー署長は出頭しなかつたが、なんとタイ国家警察長官の携帯電話尾を通じて、メディアとの質疑応答があった。チョー署長は、ビニールを頭に被せたこと認めたが、あくまで行き過ぎた取り調べの結果の自己であると殺意は否定した。
このチョー署長、お金持ちのボンボンでもないのに、不思議に金回りがよく、自宅にはベンツ、フェラーリを始め、8代の高級車を持ち、これまで何度も芸能人と浮名を流しニュースになっていた。最近の恋人は、バイト―ンというエンタメニュースの美人司会者で、彼女の父親が北タイを管轄する警察管区のトップという超大物警察官僚だったため、さまざまな憶測が流れた。この大物警察官僚が、裏で説得工作をし自主させたという説もある。記者会見でタイ警察トップの携帯電話を使って容疑者が自ら申し開きする、などということも、あまり聞いたことがない。拘置所での扱いも冷房つきのVIPルームだったという噂も流れたが、警察側は否定している。記者会見翌日のニュースでは、チョー署長の顔にぼかしを入れて放送する局もあった。これは、自分の目で確認した。誰に忖度しているのかと不思議だったが、後に、双極性障害の疑いで精神鑑定を受けるというニュースも出ているから、そういう意味合いでの配慮かもしれない。しかし、タイのメディアは普通はそこまで良識的ではないのである。
チョー署長は、今回の一件以外にも、車両取引時の脱税容疑が何百件も浮上していると報道されている。どうやら、高級車のディーラーのようなこともしていたらしく、そういう目端が利く人に責任能力が問題になるほどの精神障害があったとは思えない。もし、この報道が事実なら、タイは加重量刑でどんどん禁固年数を足していくから、これだけで一生刑務所から出られないくらいの判決をくらうのではないか?また、容疑者を死に至らしめるほどの拷問を加えた理由は、「尋問の行き過ぎ」などではなく、容疑者から金をゆすりとろうとしたのだとも言われている。一部メディアの報道によれば、チョー署長は釈放と引き換えに200万バーツを要求したが、容疑者が同意しなかったので、頭にビニールを被せて拷問を加えたというのだ。麻薬容疑者からお金をゆすり取るのは今回が初めてではなく、常習化していた可能性も指摘されている。たかだか地方の警察署長にすぎない30代の警察少佐が、高級車を乗り回し、プレゼント攻勢で芸能人を恋人にする「富豪刑事」のような生活が送れたのは、麻薬ビジネスと裏で結びついていたからかもしれないわけだ。



