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私の好きな日本映画 その九

  • 執筆者の写真: akiyamabkk
    akiyamabkk
  • 2024年6月30日
  • 読了時間: 3分


ここまでくると、本当に好きなのかなんなのか、わからなくなってきた。真田広之主演の映画が二本入っているが、この人はいいですね。アクションも出来て、映画で主役ができる人、という感じがする。結局、黒澤明の映画をいくつも選んでしまっている。


「地上最強のカラテ」やや場違いですが、この映画が公開された時の興奮は、空手バカ一代世代でないとわかりますまい。


以下簡単に、


「浮草」小津安二郎と宮川一夫が組んだ名品。雨を挟んで歌舞伎の名優とグランプリ女優が口論するシーンが素晴らしい。川口浩と若尾文子の突然のキスシーンに驚いた。遠目から撮っているのが小津らしい。


「祇園囃子」芸者さんの話し。よく覚えていないが、女二人の諍いがおわり、二人が静かに泣き始めると、今まで聞こえなかった三味線の音が、ちいさく聞こえてくる。溝口健二はあまり好きでないが「こんな風なら長回も悪くないな」と思った。


「Wの悲劇」これは、主題歌を聴いて見た気分になっているのかも。本当は見ていないかもしれない。(笑) 「私はお父様を刺し殺してしまった」とひろ子ちゃんが叫ぶのは、CMで流れていたセリフ?


「故郷」よく思い出せないし、「家族」と記憶が混同されているかもしれない。ジャリ掘削船で夫婦が労働し一日の糧を得る。そういう生活に憧れる。脇役で出てくる渥美清、東京から流れてきて、田舎で地道に暮らしている人に人生の道理を説く、その胡散臭さが悪くない。ゴーリキーの「どん底」の巡礼の役どころ。


「地上最強のカラテ」これが上映された時は興奮したが、大山倍達亡き後、極真会館は四分五裂し、「強者どもが夢の跡」になってしまった。大山の一番弟子だった中村忠によれば、この映画の大ヒットが極真会館変質の原因のようで、その後、中村は極真に嫌気がさし、アメリカで独立している。


「新宿鮫 眠らない街」真田広之の上品な新宿鮫が素晴らしい。元々、理想主義的なエリート警官が異端の存在となったのだから、原田芳雄の役どころではないのである。クライマックス、ロック歌手役のヒロインの歌が下手すぎてずっこける。あれ、無理して歌わずに口パクでよかったのに。今ならADOに歌わせるべき。


「甦る金狼」松田優作のファンではないのだが、数あるこの人のB級アクションの中では、これが一番いいような気がする。原作の大藪春彦は、30年ほど前プノンペンに赴任した時、前任者の本棚にたくさんあったので結構読んだが、「殆どギャグ」という作品が大半だった。映画もそのつもりで見れば、暇つぶしにはよい。


「麻雀放浪記」阿佐田哲也の麻雀小説の金字塔をイラストレーターの和田実が映画化した。この小説と阿佐田哲也のファン(私もその一人)の誰もが納得した佳作。四巻まで全て映画化して欲しかった。麻雀界はその後、「ウンジュウネン無敗の男」などを祭り上げるトンデモな世界になってしまったので、急速に興味を失った。


「千と千尋の神隠し」とってつけたような物語の結末はイマイチだが、繰り広げられるイメージの多彩なことたるや、「圧倒的!」と言っていい。特に、顔のないバケモノと千尋が、浅く水を湛えた湖を汽車で渡っていくシーンにうっとりさせられて、イメージの残像が何日も心に引っかかっていた。


「椿三十郎」前作「用心棒」で使ったアイデアの焼き直しがいくつもあるが、素晴らしく面白い映画である事に変わりはない。三船が、10数人を一息に皆殺しにするシーンには抵抗を感じた。刀を持たない門番まで追いかけて殺すのはやりすぎだろう。これを現代劇でやったら大変なことになる。このあたり、やはり、黒澤明は感覚がずれている。


ではでは

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