私の好きな日本映画 そのニ
- akiyamabkk

- 2024年6月29日
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「幕末太陽傳」は、フランキー境が羽織を放りあげてすっと着る、あのシーンでスイッチが入った。傑作。ベースとなった落語より面白いだろうと思っていたが、志ん朝の「居残り左平次」を見て考えが変わった。志ん朝もすごい。
「どですかでん」あまりにも過小評価されすぎている後期黒沢の傑作。 インテリ=脆弱・偽善的、庶民=強靭、正直、という図式が少し鼻につくが、インテリの描き方は秀逸だった。特に、ホームレス親子の父親への視線の厳しさ、表現のリアルさに鳥肌がたった。インテリを描く時によりリアルで辛辣なのは、黒沢自身がインテリだからだろう。この映画は、子供の死を最も衝撃的に描いた映画のひとつでもある。
小津の映画では「東京物語」が一番好きだが、この「秋日和」や「お茶漬けの味」「浮草」なんかも好きである。「麦秋」もいいと思うが「晩春」はあまり好きではない。「晩春」では何故か、原節子のわざとらしさが鼻につくのである。原節子は、ワザとらしいといえば常にワザとらしいのだが・・・。
「河内山宗俊」は恐ろしく暗く、凄まじくクールな映画。理屈ではなく意地で行動する昔の日本人の映画である。前進座のこの二人の主演俳優が素晴らしい。「人情紙風船」「元禄忠臣蔵」とこれくらいしか見てないが、中村梅之介(花神で大村益次郎を演じた人)のお父上もカッコいいが、善良で卑屈な浪人から、アウトローの大立者、侍の統率者・大石内蔵助までを演じて、全てに説得力がある、河崎原長十郎は凄いと思う。
以下、簡単に・・・
「赤穂城断絶」これは中学の時、友達に誘われて劇場で見た。萬屋錦之助のファンという若年寄みたいな奴がいたのだ。当時、邦画を洋画より一段下に見ていたが、意外と面白かったので印象に残っている。
「釣りバカ日誌」お気楽なコメディで、しんみりさせるシーンも少なく、リラックスして、ほど良く笑える。娯楽映画の王道だ。ハマちゃんの宴会芸は西田敏行の地ではないか。おそらくシリーズ全作を見ている。
「社葬」映画プロパーが調べて書いたオリジナル脚本。ある新聞社社主の「社葬」のドタバタを描く。モデルはおそらく読売新聞だろう。文句なく面白い。「新聞はインテリが作ってヤクザが売る」という惹句も痛烈だった。
「男はつらいよ」全作見ているが、この樋口可南子の回と、真野響子がマドンナ役で、嵐山寛寿郎が伊予大洲の殿様をやる回が好きだ。愛媛県の出身だから、ピローショットが切り取った昭和の風景が懐かしい。
「真昼の暗黒」最高裁で無罪判決が出て随分経ってから名画座で見たが、映画の公開は高裁で有罪判決が出た直後である。だから、主人公が接見部屋の金網を握りしめて叫ぶ最後の台詞は「母さん諦めないでくれ、まだ最高裁がある」なのだ。進行中の裁判批判をここまでやる度性骨、すごい!、の一言。
<了>




