◇意外と男らしくない高倉健の一面
- akiyamabkk

- 2024年7月24日
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以下時事通信のインタビューから
(高倉健は) 出演作を決める大きな基準は「監督への信頼」と語る。続けて、黒澤明監督との間であったエピソードを披露してくれた。
降旗監督の「居酒屋兆治」の準備が進んでいたとき、黒澤さんの「乱」に(鉄修理=くろがね・しゅり=役で)出演できるという話があった。でも、僕が「乱」に出ちゃうと「居酒屋兆治」がいつ撮影できるか分からなくなる…。とても僕が悪くて、計算高いやつになるという風に追い込まれて、僕は黒澤さんのところへ謝りに行きました。
あの時、黒澤さんは僕の家に4回いらして、「困ったよ、高倉君。僕の中で鉄(くろがね)の役がこんなに膨らんでいるんですよ。僕が降旗君のところへ謝りに行きます」とまで言ってくれた。でも、僕は「いや、それをされたら降旗さんが困ると思いますから。二つをてんびんに掛けたら、誰が考えたって世界の黒澤作品を選ぶのが当然でしょうが、僕にはできない。本当に申し訳ない」と謝った。黒澤さんには「あなたは難しい」って言われましたね。
その後、「乱」のロケ地を偶然通ったことがあって、「畜生、やっていればな」と思いましたよ。
ただ、黒澤監督の晩年の作品には、良いものがないと思うんですよね。僕は、監督が(作品の常連だった)三船敏郎さんと別れたのが大きい気がする。志村喬さんもそうだったけれど、三船さんは(黒澤作品の)エンジンの大きな出力だったのでしょう。二人が抜けたことで、その出力がどーんと落ちた。怖いですよね。映画は絶対に一人ではできないんですよ。
・・・引用終わり
高倉健が言われているような男の中の男なら、墓場まで持っていく類の話だろう。鉄修理を演じた井川比佐志や主演の仲代達矢に悪いから。ちなみに、鉄修理の役は、モタモタした高倉健の演技よりも、スピード感のある井川の方がよかったと思う。映画ができてしまえば黒澤が見た高倉健のイメージは既に跡形もなく、高倉健はそこに嫉妬していたのではないか?
しかし、文章中のこの表現は面白かった。「でも、僕が「乱」に出ちゃうと「居酒屋兆治」がいつ撮影できるか分からなくなる…。とても僕が悪くて、計算高いやつになるという風に追い込まれて....」要は、人目を気にして、大役を断ってしまった事への後悔を、率直に語っているのですね。カッコマン、高倉健が、自分を正直に語った稀有のインタビューとも言えるのではないか。
松方弘樹が亡くなる前に、意外と男らしくない高倉健の一面を語っているが、もうソロソロ、高倉健の実像を描いた伝記がでてもいいのではないか。タブーにするほどの商品価値はもう高倉健にはないし、故人となったスターへの関心はまだ少なからず残っている。丁度いい頃合だと思いますが・・・健さんは、それに値するスターだったと思いますよ。
・・・とちょっと前に書いたが、新たに高倉健の伝記を出すだけの関心は、世間にもう無いのかもしれない。
ではでは




