チン州内部の対立が激化〜グループ間抗争で多数の死傷者も？（Frontier Myanmar)
- akiyamabkk
- 2024年7月23日
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革命勢力側の「大本営発表」への検証報道で定評があるフロンティアミャンマー誌が、革命勢力の軍事的伸長著しいチン州で、反軍グループ内部の対立が先鋭化しつつある現状をリポートしている。
‘Our only chance at freedom’: Inside the northern Chin resistance”
チン州「革命勢力」内の主流派は、１９８８年に設立された古参組織 Chin National Front（CNF＝チン民族戦線) である。２０２１年２月のクーデター勃発後、チン民族戦線やチン州選出の国会議員など反軍勢力が集まって、Interim Chin National Consultative Council (ICNCC) という「革命勢力」を糾合する統括組織を結成していた。委員会では、チン州自治政府設立のための憲法制定を進めていたが、遅々として進まぬ起草プロセスに業を煮やした最大勢力のCNFが委員会を離脱、昨年１２月に憲法を発布してChinland Council を立ち上げ、今年２月には「全チン州を掌握する政権」 (State of Chinland) を発足させたのだ。
これに、ICNCC に残ったPDF系（People Defence Force クーデター後に結成された反軍政、民主政権支持の民兵グループのこと）のグループが激しく反発した。反主流派によれば、新憲法は、CNFを国軍に昇格させ、全ての反軍民兵グループを自派が掌握する国防省の傘下におさめ、軍旗を国旗に採用し、チンランド議会１４０議席のうち２７議席を自派に割り当てるという、公平性に欠くものだという。
ICNCC側の中核組織、Zomi Federal Union （ZFU )は、Arakan Army (AA)からの軍事支援を得て、他のPDF系民兵グループと Chin Brotherhood を結成し、 CNFと対抗する。Arakan Army とは昨年１０月、北部シャン州で大戦果を上げた三派連合＝Brotherhood Alliance の一角である。Chin Brotherhood の命名は、民族間連携による軍事的成功の先例にあやかったものと思われる。
今年６月、対立は戦闘に発展した。
Divisions have only hardened in recent months, and lately spilled into violence. Brotherhood spokesperson Salai Yaw Marn said that in June, the CNF and allied groups from the Chinland Council attacked Brotherhood forces in southern Chin’s Matupi Township, leading to several days of fighting. The Chinland Council told local media that its forces were responding to the Brotherhood’s detention of one of its members who was helping displaced people, adding that the AA was fighting alongside the council’s rivals. The Brotherhood said in a July 9 news report that at least 10 of its fighters had been killed in CNF-led attacks in Matupi since June 18.
Chin Brotherhood のスポークスマンによれば、CNFが、チン州南部のBrotherhood の部隊を攻撃し、７月９日までに、Brotherhood 側に少なくとも１０人の死者が出ているという。
ある維新の元勲は「人は艱難を共にすることはできても、富喜を共にすることはできない」と言ったそうだが、まだ「冨貴」を云々する段階には遠いように思うのだが・・・
詳しくは、記事本文で。
以下、Frontier Myanmar の他地域の戦況報告。
中央デルタ
最南部
シャン州北部
＜了＞
