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◇おくりびと(2008年)  ※タネアカシあり

  • 執筆者の写真: akiyamabkk
    akiyamabkk
  • 2024年7月25日
  • 読了時間: 2分


滝田洋二郎監督。最初にアカデミー賞受賞を聞いた時は「コミック

雑誌なんかいらない」の滝田監督が?と意外だった。キワモノ映画を作る人、という印象があったのである。


数年間見ないままでいたが、ある掲示板仲間に勧められて見た。その人はアメリカに渡ってスーパーを経営しているタイ人で、成功者だから今の生活には満足しているハズなのだが、「鮭は生まれた川に戻るもの」という山崎努の訓示に、いたく感動しているようだった。この映画がアメリカで受けた理由のひとつが、こういう異文化に片足を置いた移民たち、特にアジア系の人たちからの支持ではないか。


もうひとつの理由は、「死体」という極めて厳粛かつ厄介なブッタイを、これほど率直に正面から描いた映画が、今までなかったからだろうと思う。日本人は、宗教的禁忌や死後の世界に関する壮大な「ストーリー」(絵空事)を持たないが、死に対する自然な畏れ、そこへ旅立つ者への畏敬と愛着は人一倍あるわけで、そういう我々の故人への自由な愛情が、一つ一つのエピソードをユニークで感動的なものにしたのである。


特に、物語の後半、火葬のスイッチが押され、ぼっ、とバーナーの音がし、杉本哲太が号泣する場面、このシーンに泣かない者はいないだろう。日本映画史上、こういう場面が描かれたのは初めてではないか。我々の誰もが経験する、人生で最も切実な光景の一つであるにもかかわらず・・・あのボッという点火の音には、西洋映画の埋葬シーンとはまた違った、我々に厳しく断念を強いる残酷さと潔さがあるのである。自分はビデオをひとりで見ていて反吐が出るほど泣いた。


が、ラストはやりすぎである。アザとすぎる。


私の採点 10/10  キズは、ラストのワザとらしさと広末涼子(笑) キズはあるが、しかし、これほど感動的な映画はそうはない。


ではでは

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