某通信社の大統領選翻訳こたつ記事?について
- akiyamabkk

- 2024年11月2日
- 読了時間: 7分

共同/産経の当該記事はここ。
記事のタイトルは、
民主優勢州への攻勢で「賭け」 大統領選最終盤で共和トランプ氏、8年前の再現狙う
とあり、「11月5日の投開票まで5日に迫る最終盤で敵陣に攻勢をかける「賭け」(AP通信)に出た。」とAP通信を引用して、こう結論づけた。
政治サイト、リアル・クリア・ポリティクスによると、10月31日時点のニューメキシコ州での支持率平均はハリス氏49・7%、トランプ氏42・3%。トランプ氏は2016年大統領選で、民主党候補だったクリントン元国務長官に支持率平均で10ポイント以上の差をつけられていた中西部ミシガン州で終盤に遊説して逆転勝利しており、再現を目指しているとみられる。(共同)
とこう締め括っている。
この共同通信の記事、ピント合ってるかな?トランプが劣勢にあり、ブルーステイトでの逆転勝利に選挙戦の帰趨を賭けているような書き振りなのだが(ミシガン州の勝利にはそういう意味合いがあった)、米メディアの選挙戦に対する認識と、かなりズレている気がする。
例えば、現地時間今日のCNNの分析がこれである。(CNNは民主党よりと言われているメディアである)タイトルは、”Three Sings that point to a trump victory.” 他の民主党系メデイアについても、押して知るべしだろう。
もちろん接戦だから、ハリスが勝つこともあり得なくはないし、根拠があってああいうトーンになったのならいいが(個人的にもハリスが勝った方が嬉しいのだが)、普通にデータを分析すれば、CNNのようになるのではないか?この番組では、トランプ有利を主張する新しい論点に触れているが、現行の世論調査だけを見てもトランプがリードしているのである。
単に、「トランプが意外なブルーステイトで選挙選終盤を戦う」ということが言いたいのなら、「賭け」という表現は言い過ぎだろう。いまいち、ポイントのはっきりしない記事だな、という印象を持った。
そう思いながら、Real Clear Politicsで関連記事を探して読んでいると、共同の元ネタかな?と思われるAPの記事を発見した。共同/産経の記事はAPの写真を使っていて、タイトルもかなり似ている

Donald Trump gambles with late-stage trips to Democratic New Mexico and Virginia
思った通り、APの記事のニュアンスはかなり違っていた。
以下、AP記事のChatGPT全訳。著作権の問題があるが、4、5人にしか送らないメルマガだから、「グループ内での研究発表」ということで大丈夫でしょう。
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◇ドナルド・トランプ、終盤に民主党のニューメキシコ州とバージニア州への訪問で賭けに出る
アルバカーキ(ニューメキシコ州)発(AP)— ドナルド・トランプ氏は選挙戦の最終段階でニューメキシコ州とバージニア州を訪れる予定で、数十年にわたって共和党の大統領候補が勝利を収めていない地域に時間を割くというリスクを伴う行動に出ています。
元大統領であるトランプ氏は木曜日にニューメキシコ州アルバカーキで遊説し、土曜日にはバージニア州セーラムを訪れる予定です。
トランプ陣営は、期日前投票の結果にある程度の楽観を抱いており、民主党のカマラ・ハリス氏に対してニューメキシコ州およびバージニア州で競争力を発揮できると考えています。特に、スイング・ステートであるネバダ州とアリゾナ州で勝利すれば、ニューメキシコ州でも勝利を狙える可能性があると期待しています。ただし、ニューメキシコ州もバージニア州も、2004年のジョージ・W・ブッシュ氏以来、共和党の大統領候補が勝利を収めたことはありません。
特に過去数か月間、アリゾナ州、ジョージア州、ミシガン州、ネバダ州、ノースカロライナ州、ペンシルベニア州、ウィスコンシン州といった激戦州では、候補者の訪問が相次ぎ、住民たちはビルボード、テレビ、スマートフォンに流れる政治広告の波にさらされてきました。ここ2週間だけでも、ペンシルベニア州には大統領および副大統領候補が21回、ミシガン州には17回、ノースカロライナ州には13回訪れています。
トランプ氏は、彼に圧倒的に反対票を投じる州でも熱心な支持層を持っており、彼の集会は熱狂的な支持者で簡単に満員になります。
最近、トランプ氏は特に重要とされる州以外にも立ち寄り、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンやカリフォルニア州のコーチェラで集会を行いました。これらの州はニューメキシコ州やバージニア州よりもさらに民主党が強固ですが、これらのイベントは、トランプ氏が両州で勝利できるとする大胆な主張を満たし、同時に選挙ニュースをあまり追わない有権者にもアピールするため、メディアの注目を集める狙いもありました。
またトランプ氏は共和党の地盤であるモンタナ州に姿を見せ、先週は民主党のハリス氏と共にテキサス州で遊説しました。テキサス州は1976年以降、民主党が勝利していない州です。
これらの訪問には、州で重要とされる課題を強調したり、下院や上院候補の支援といった他の目的もありました。
トランプ氏はアルバカーキで、過去の選挙に関する誤った情報を繰り返し、「選挙が公正であれば州で勝利できる」と述べました。
「天から神様を呼び降ろして票を数えてもらえたら、私たちは勝てるでしょう」とトランプ氏は語り、ニューメキシコ州を訪れているのはヒスパニックの有権者に向けた「自分の評価向上のため」だと付け加えました。
トランプ氏の戦略にはリスクも伴います。
2016年にトランプ氏に敗れた民主党のヒラリー・クリントン氏は、選挙戦終盤にアリゾナ州へ向かったことで批判を受けました。当時、アリゾナ州は特に競争が激しい州とは見なされておらず、クリントン氏が訪問すべきだったとされるウィスコンシン州やミシガン州、ペンシルベニア州が最終的に選挙結果を左右しました。現在アリゾナ州は激戦州とされていますが、8年前にはトランプ氏が4ポイントの差で勝利していた州でした。
「戦略というものはないと思います」と、多くの大統領選挙で活動し、現在は南カリフォルニア大学の政治未来センターを率いる民主党の長年の政治顧問であるボブ・シュラム氏は述べました。「彼がやりたかっただけでしょう。全く意味がありません。」
<終>
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翻訳は全然直してません。出てきたまま。十分に意味はわかる訳文だろう。
AP通信は、2016年の先例を挙げて、「ヒラリーが選挙終盤に油断して、アリゾナを欲張ったためにトランプに足を救われた」と言うニュアンスを書いている。トランプを優勢とする認識があるから、そういう書き方になるわけで、共同通信の記事のような「ブルースティトをひっくり返して、選挙戦の逆転を狙う賭けに出た」という意味合い、もしくは「そう誤解させるような」曖昧な書き方はしていない。
APのように、この戦略が凶と出て、トランプが、「2016年のヒラリーのように敗北する可能性」を指摘するのなら、「ギャンブル」「賭け」と呼ぶに値するだろう。確かに、ここ数日、激戦州でのハリスとの差が縮まってきているのだ。(ミシガンではハリスが逆転している)
A P通信の記事の中には、2016年のミシガン州の結果は登場しない。ミシガン州の勝利は、劣勢を予想されていたトランプが大統領選の逆転に繋げた勝利なのだから、この記事で引用するのは意味合いが異なると考えたのだろう。8年前と違って、今回のトランプは互角以上の戦いをしているのだ。共同通信が、2016年の選挙の先例を持ち出すなら、先行していると見られていた「ヒラリーの油断」を先例として持ち出すべきだった。共同記事は、頭をよく整理しないまま、「賭け」というAP通信の見出しの言葉を借用した、「やっつけコタツ記事」のように思われる。
それにしても、選挙の帰趨に関する見方もそうだが、AP通信と共同通信の記事では、情報の深みが違うことがわかる。新聞社側のデスクが鉛筆舐め舐め短く纏めたために、舌足らずな内容の記事になったのかもしれないが、記事を読む限り、圧倒的な取材力の差があることを感じる。今、こういう英語記事の情報が1分で調べられるようなったのだから、日本の記者さんは大変だ。横のものを縦に直すだけでは通用しない時代になった・・・というか、その横のものを縦にする作業さえ、AIがやってくれる時代になったのだ。
<了>




