街角ピックアップ~タイの宝くじワールドにおける「有名な数字、きれいな数字」とは?
- akiyamabkk

- 2021年5月13日
- 読了時間: 2分
更新日:2024年5月11日

3年前に投稿。状況は今でも変わらない。
上の写真、タイのどこにでもある宝くじ屋の風景だが、ピンク色の紙には、「有名な数字、きれいな数字、120バーツ」と書いてある。
「有名な数字、きれいな数字」とはなにか?予想はおつきだろうが、当たると評判になっている数字、並びのよい数字という意味なのである。宝くじの公定価格は80バーツだが、「きれいな数字」である分、付加価値がついて120バーツで売る。
では、付加価値がつく数字と言うのはどういう数字なのか?と言うと例えば下の写真。
上が、「有名な数字、きれいな数字」を張り出した掲示板。その一つが下の写真である。ヘアバンドの女性は、29年前(当時)に亡くなったタイの国民的歌手、プンプアン・ドゥアンチャン。タイの美空ひばりみたいな人だったが、この人の命日、仏暦2535年6月13日が宝くじの抽選日に近いというので、それにまつわる数字が「有名な数字、きれいな数字」となったのである。つまり、29,613,25、35などが公定価格より高く売られることになる。
公定価格(80バーツ)に上乗せして売るこういう販売の仕方は、本当は違法なのだが、宝くじ屋としてはここが儲けどころなので後にはひけない。政府側も「庶民のささやかな楽しみにまで口をはさむと政権の人気にさわる」と考えるのか、取り締まりの声はいつも掛け声に終わる。
しかし、好きだなあ。タイ人の場合、友達が死んでも、その命日で宝くじを買うだろう。いや、「だろう」ではなく、これは確実にそうするのだ。親が死んでもそうする。子供が死んだら・・・これはわからないが、しないとは限らない。「それとこれとは別」なのだし、物事を湿っぽいまま終わらせたがらない、彼らの生活の流儀でもあるのだ。とりわけイサーンの人たちがそういう風だと思う。
最近は、オンラインで宝くじを買うこともでき、これだと、公定価格の一枚80バーツで買えるので、瞬く間に市場を席巻しそうなものだが、月2回の抽選日が近づくと、宝くじ屋の前には、相変わらずの人だかりができている。馴染みの店が潰れたという話しも聞かない。やはりタイ人は、昔ながらの宝くじ屋で、「有名な数字、きれいな数字」の情報を仕入れながら、運試しをするのが好きなのだ。








