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仏教徒カレンがミヤワディを掌握〜BGFが軍事政権との協力を再開!

  • 執筆者の写真: akiyamabkk
    akiyamabkk
  • 2024年5月30日
  • 読了時間: 3分

更新日:2024年6月8日

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【見出し】BGF Militia Controls Myawaddy- Resumes Military Cooperation with Junta (国境警備隊の民兵がミヤワディを支配〜クーデター政権への協力を再開する)



Karen News に掲載されていた記事。つい数ヶ月前には、同じカレンニュースが、BGFの軍政との絶縁、KNA(Karen National Army) への再編の見通しを誇らかに伝えていたのだが・・・



ここで言うBGF(国境警備隊)とは、かつての DKBA= Democratic Karen Buddhist Army のことで、キリスト教徒が主流のKNU(カレン民族同盟)から分派した、仏教徒主体のカレン民族組織である。中央政府と停戦協定を結び、支配地域の実効支配容認と引き換えに、BGF=Border Guard Force として表向き政府の支配下に組み入れられた。大陸中国系マフィアと結託してミヤワディ近郊で大規模カジノリゾート、シュエココを運営しているのがこの組織である。


昨年10月、国内で社会問題化するオンライン詐欺の拡大に業を煮やした中国政府が、シャン州北部国境のカジノをオンライン犯罪の拠点としていた少数民族グループを、対立する別の少数民族武装グループを使って駆逐したことは記憶に新しい。1027作戦と呼ばれた少数民族三派連合(Brotherhood Alliance)の軍事的成功には、隣接する大国、中国の後押しがあったのである。(ライバル関係にあった軍閥グループは共に漢民族系の少数民族組織だった)



シュエココは、ミャンマー国内にあるオンラインギャンブル、オンライン詐欺のもう一つの拠点であり、ミャンマー政府は、犯罪取締りの強いプレッシャーを中国政府から受けていた。カレン州BGFは、大陸系中国人以外を詐欺のターゲットにすることで生き残りを図っていたようだが、国軍の劣勢を受けて、一時は、ミャンマー軍政からの絶縁を宣言していたのである。「ミャンマー軍政頼むに足らず」として見限った形だが、ここに来てシュエココに関する何らかのディールが成立し軍政との関係を修復した可能性が高い。



さて、一方、5月26日付、直近のカレンニュースは、軍政側が反撃を開始して40日が経過しても、KNLAの激しい抵抗によってミヤワディに向かう主要道路へのアクセスを回復できずにいる、と伝えている。



どうやら、KNUは、ミャワディの街そのものよりも、主要道路上にある戦略的高地の死守を優先しているらしい。国境貿易の拠点であり経済的に重要なミヤワディを、軍側の無茶な砲撃、空爆に晒したくないという顧慮もあるだろう。しかし、もし軍政側が、雨季が本格化すり前に国境への交通路を確保できなければ、BGFが再び寝返る可性も十分にあると思う。ことほどさように、ミャンマー情勢は一筋縄にはいかない。


大規模カジノ特区・シュエココに関しては以下の投稿が詳しい。



<了>


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